血液の状態 T

血液の状態 T


 今までかなり難しい言葉と難解な理屈を説明してきました。目的は、人間として生命ある限り丈夫で、少しでも長く生きていくためにはどうすればいいのか。という問題を解決する方法として、古代から現代において多くの方に理解され、応用されている養生法を知っていただきたいからです。漢方医療の原則を正しく知っていただくことも含め、健康保持に役立てていただきたいと思います。

 健康を願う究極は、体内を流れる血液が本来の役目を果たしてくれるかによって決まるのです。例えば、山の谷川を流れる水の如くいつもサラサラとした状態であることを願っているのです。もし血液がネバネバで、粘っこい状態では、いくら身体に良い食物をとっても身体のためには、ちゃんと働いてくれないのです。この大事な血液に関しては、最近のマスコミにおいても大きく取り上げられており、全体的な話からミクロの世界まで拡大して、いかに重要であるかを説明されております。

 古代では、残念なことに顕微鏡のような精密機械がなく、「気」とか自然の営みを参考にして、身体の働きを観察してきた医学の現象とはかなりの違いがあるのです。それは唯物論的に立証される内容と電気、空気のように目に見えなくても働く作用の存在を認識することにもなります。気が働くことによって、物が動くことが東洋医学の哲学であります。この気の動きは、体内にも全身に作用して、体温調節など大事な役目を持っていますが、血液が巡りやすく作用しているのも、この気が血管周囲を包み込むように衛っているからなのです。心臓から送られた血液が、足まで冷えないで巡るのもこの気のおかげなのです。古典においては、もっと詳しく説明されているのですが、多くの方には現代医学的に説明した方が理解していただけると思いますので、血液がサラサラな状態について説明します。

 誰もが血液の状態がドロドロでない方が、よいことを知っています。コレステロールや中性脂肪などで血管が狭まくなると、高血圧症や動脈硬化症などになりやすいのもご承知だと思います。肩凝り、頭痛、めまい、糖尿病、脳卒中、肝臓病などの原因の一つには、この血液の汚れが大きく関与していると考えられます。体力を付けるためには、肉類を食べることが一番いいと思っている方は多いのではないでしょうか。確かに、タンパク質も多く含んでいるので、間違いないのですが、肉類はそのまま身体の肉や血液にはならずに、身体に適したアミノ酸に分解されて、初めて吸収されます。この肉が分解する時の有毒物質が怖いのです。肝臓で分解されるのですが、解毒作用の働きに肝臓は大きな負担をかけますので、肝臓の機能が低下してしまったら、汚れた血液が身体全体に巡ってしまうのです。


鈴木治療院
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