食物の陰陽について U

食物の陰陽について U


 自分の体質が、陰性なのか陽性なのか知ることは養生法の大原則になってきます。もし陰性体質とわかったなら、野菜サラダや冷たいもの、果物などは昼間の陽気が活発な時に食べて、夜は温かいものを食べるとよいのです。私の治療院へ下痢があって、食欲もなく、疲れがあり、肩凝り症状もあるという方が多く来られます。この患者さんの脈を診ると胃腸が冷え、陽気が衰えている状態であり、その結果身体がだるくなるのです。よく聞くと風呂上がりにミカンを3〜4個平気で食べていたりします。ミカンはビタミンCがあって、身体によいと言われていますが、胃腸を冷やす食べ物なので、陰性体質の方にとっては、あまりいい食べ物ではないのです。このような人たちは、野菜も簡単に湯通しするか、油で炒めますと熱を加えていますので、効果が違ってきます。しかし、なんといっても陽性食物を食べるように心がけたらいいのです。

 陽性食物は小さく、硬く、成長の時間が長く、水分が少なく、背が低く、臭いがあまりしないものです。豆、ゴマ、木の実類などがそうです。高血圧症や心臓病などの人は、陽性体質なので、少し控えるようにして下さい。また、陽性体質の人には、トマト、キュウリ、ナス、ミカンなどの陰性植物がよいのです。

 寒い冬には、誰もが陽気不足です。寒さで体温維持も大変な時なので、陽性の食物を摂るように心がけて下さい。また、辛味を利用することで、陽気を増やすこともできます。しかし、冬にスポーツを行い発汗を続けることは注意して下さい。

 また、ネギ、ほうれん草、米などの穀類のように中間にあるものを説明します。この中間の食物は基礎食品としてとても大切です。昔の修行寺のお坊さんが豆腐、コンニャク、味噌、ゴマ、イモ、麦飯、野菜などで、何日も丈夫で暮らせたのは、このような理由からで、私たちも見習うべき食習慣なのです。

 今の日本人は欧米の食生活に従って、ハンバーガーなど油で揚げたものなど多く食べられています。この食物を子供の頃に食べた大人は、都会田舎に関係なく、背が非常に高くなっています。古くからある日本古来の食習慣の人はあまり背が伸びていません。このように身体の発育には、欧米食がいいのかも知れないですが、本当に健康な身体をしているのかは今後の調査でわかってくると思います。

 中国農耕民族の習慣が私たちは参考にする必要があると思います。三世代家族で育っている子供達にとっては、おばあちゃんの作る煮物はまさに養生食の大原則です。


鈴木治療院
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