五臓の生理学となるといかにも専門的で、医学部の研究会のように難しくなりがちです。しかし、自分の内臓がどのように働いて、どういう役割分担を負っているかを知ることはとても大切なことです。また、現代医学における内臓や身体機能については、頭から足まで何百種類の項目別に分類されて、各家庭医学書によって、多くの方は十分な知識を持っておられると思います。しかし、この東洋医学の知識に関しては、なかなか的確な解説書がないのです。いままでに、陰陽、五行説などを説明させていただき、陽気、気、血の巡りなどと聞き慣れない言葉が出て少し戸惑っておられる方もおられると思いますが、これからは大事な五臓の機能について、説明させていただきます。
人間の身体には、東洋医学独自の考えや思想が基礎として成り立っていますので、その点を承知の上で進んで下さい。身体には、脈、血液、体液、気、精などと、それぞれが各臓器に働いています。エネルギーの源である血や気は、胃で造られて、脈管にて全身に運ばれます。この血のコントロールは、心の役割でもあります。
血は、胃で飲食物の消化吸収されたものに、水が調合され、赤く変化したものです。この血が不足してくると顔色が悪くなり、光沢がなくなります。当然、脈を診ても力はありません。古代人の古典には、血の作用が詳しく書かれていますが、なぜ血が赤色をしているのかは書かれておりません。現代医学の発達により、鉄分の赤錆が血液の色に関係していることは、すでに皆さんご存じだと思います。血液の鉄分が、酸化するのです。このように、医学の発達により、私たちは近代科学の発達にも加速され、多くの人々が恩恵に預かっているのです。
体液に関しては、小便や大便に含まれる水分に関係しますし、汗として発散する液も含まれます。
気については、胃で造られる陽気の源です。血と気があり、気は蒸気のように肺へ運ばれ、肺から呼吸の作用で、心が司っている血と共に、全身を巡るのです。電線の芯の導線が血液と仮定するなら、それを包んでいる管は、目には見えない気であり、毛細血管の先まで、気と血がお互いに働いてくれるから、皮膚上から全身が同じ体温で保たれているのです。足が冷たいときは、血の流れの滞りと共に気の不足が生じたときです。特に、頚や肩凝りなどは、この気血の巡りがうまく流れないのです。このようなときに、鍼灸治療やマッサージ、入浴などが気血の巡りを良くしてくれるのです。
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