夜になって寝ようとしたときに、すぐに寝られないのは本当に辛いものです。この状態からの解決方法は、前回説明しましたように、頭の中を空にしてストレスを早く抜くことが大切ですし、これを習慣づけることも重要です。また、アルコールで頭の陽気を全身に巡らすことやパンなど少量何かを食べて頭の陽気を下方に下げることもひとつの方法です。赤ちゃんの手が温かくなってきたときに眠りに入るのも、頭の陽気が下に降りてきて、陰の気になっている証でもあります。
少し話が変わりますが、一日の朝昼晩の変化を一年の季節に置き換えることができますので、説明したいと思います。朝は誰もが気持ちよく起きて、「今日も一日頑張るぞ」と心の中で叫んでいると思います。この朝は春になります。新芽が発生する程、陽気が盛んになるときです。
昼は陽気が充実して、大いに活動する時間です。季節で言うと葉が繁茂する夏に相当します。夕方は太陽の光も少し弱くなり、陽気も衰えてきます。季節では、秋に当たります。秋は西風が吹き始めてきます。身体の陽気も減少しています。この頃は、身体の陽気が不足している時期なので、冷たい風にあたると寒邪が皮膚に浸入し、寒気や発熱を起こして、風邪症状を呈してきます。よって、昼間は温かくて安心している時に、夕方になって急に涼しくなってきたときに、薄着でいたりすると風邪を引くことになります。夕方と秋、次に説明する夜と冬というのは、病邪が新入しやすいときなので、重労働、ストレス、寝不足などの疲労を訴える人は、特に注意しなければなりません。
冬は陽気も少なく、自然界の木や生物も静かにしています。夜も同じで、あまり遅くまで起きていないで、ゆっくり眠ることが大切なことです。夜は陽気が体内に入って、静かにしていますから、スポーツなどの活動することは避けた方がいいのです。しかし、現代社会においては、昼夜関係なく動いている社会活動ですので、少しでも自分の体質、能力にあった休養と陽気の充実をしっかりと自分自身で知る必要があります。
ある時期が来ると決まって起こる症状や喘息発作などもそうですが、顔色、声の特徴、食物の好き嫌いなどは治療家が病因を診断する上でもっとも重要なものになってきます。以前に紹介した五行表をよく見て、縦横に交叉させながら自分の症状に照らし合わせると自分の生まれながらの体質や今の身体の状況、どの内臓に変調を起こしているかなど何らかの原因のもとが見えてくることと思います。どの症状が今あるのか。好きな食べ物、嫌いな食べ物。恐がり症か、イライラ型か。どの臓に変化があるか大体見当がつくのです。
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