このタイプの人は、実際に甘味が好きなようです。しかし胃腸は前にも説明しました通り、五臓の中でも中心的存在で大事な役割をしています。その胃腸の疲れを治してくれるのも実は甘味なのです。よくパートにて働く女性が夕方帰ってきてもすぐに家の仕事ができず、ぼんやりと座っていたり、午後になるとあくびが出て、仕事に精が出なく、だるさやめんどくさいなどの症状を訴えるのは、胃の働きや胃の気が弱っているからなのです。私が子供の頃百姓の手伝いをしたとき、田植えや稲刈りなどの最も多忙な時期に、甘いおはぎを造って持っていったことを覚えています。身体の疲れの回復には、昔は生活の知恵として応用していたのだとつくづくと思い出しました。
胃の働きに何か変化があると思い悩み、憂うそうです。年頃の子供達の縁談、就職、病人の世話などの心配もこれになります。若い人には片思いによる想いを寄せる恋心の思い悩みもこの分類に入ります。このような気持ちの状態が長く続くと胃腸に変化が生じ、何を食べてもまずく、食欲もなくなってきます。この原因のひとつに、いつも座っている仕事が考えられます。長距離トラック、タクシーの運転手、事務所でパソコンなどの作業でじっと座っている方、家で針仕事などであまり活動しない人は肌肉の固定化にて、血行不良にもなり、ひいては関節も痛んできます。膝の痛い人などは、軽い散歩や手足を動かすようにすると良いです。
五臓は生まれてから死ぬまで働いてくれています。その中でも各臓にエネルギーを配ってくれる源が、胃であることをよく確認して下さい。いくら立派な高級車があっても良い燃料がないと車はエンストしてしまいます。燃料がハイオクガソリンか、混合の悪いガソリンなのかによって能力が変わってくるのと同じなのです。それには季節の正しい野菜や魚類、そして自分の生活圏で取れた新鮮で香しいもの、温かい食物、熟しきっていないものなどが良いと書かれております。よくアロエが胃に良いと言いますが、アロエは鎮静作用を持っています。胃に炎症が起こっているときや過食気味で不調を呈している人にはよろしいですが、冷え症、食欲不振、下痢気味、身体がだるい、何をするにも面倒な時、悩みが続くような症状がある人には、アロエを食すと余計に体調を悪くしますので、気をつけて下さい。今までも何回となく出てきていますが、冷飲食と温暖食の取り方は症状を軽快させるには、最も大切なひとつになります。
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