現代医学では、ミクロの世界に奥深く細部に至る研究と実績が次々と証明され、髪の毛一本からその人の年齢、性別、病症など、私たちには考えられない世界が展開され、私たちが生活するにおいて、大変貢献しています。しかし、残念ながら東洋医学にはこのような能力はありません。その代わり「気」の動き、性格に関しては、西洋医学とは比べものにならないほどの実績があります。幸いにも最近は、医師や科学者がこの「気」に関して大きな関心を持っていると言うことがとてもうれしいことであります。
一般生活において、「気が早い」とか「気のまわりが遅い」とかよく言いますが、漢方では「気」「血」「水」の三大要因がうまく調和しているときが、丈夫で元気な身体だと定義しています。では、その「気とはいったい何か?」と問われますと「気」の付く言葉がいくつかあります。元気、天気、電気、気体、気持ち、空気、気分などありますが、このように姿形のないもので、エネルギーや作用について大きな力を持っていることが分かると思います。このようなエネルギーが東洋医学で言う「気」の働く力であり、気の中に含まれている意味の作用が、人間の体内にも血と同じように働いているのです。この「気」の働きが充実しているからこそ、いつまでも寿命が続くのです。この「気」は胃(脾)で、製造されるのです。(現代医学の脾と東洋医学の脾とは機能的にも違いがあるので、脾という臓をこれからは胃で表現します。)
この胃は五行では、土の性格で説明してきました。聖なる大地、万物を生む大地、土の働きは母の如く、五臓でも大変重要な働きを持っています。万物の種子をうまく育ててくれるのも大地畑であることからも、理解していただけると思います。そして春夏秋冬の各臓に関する肝心脾肺腎の継ぎ目の役目は胃が行い、年に四回の土用が、あることはすでに説明させていただきました。それほどに胃の作用は、重要視されているのです。
胃の働きに何らかの変化が生じますと口唇に吹き出物、腫れ症状が出ます。多くの人々は、経験されていることだと思います。また胃腸の疲れが出てくると顔色が黄色くなってきます。そして肌肉が緩み、弛んできます。筋肉ではなく、筋肉と皮膚の間のことを肌肉と言います。手足のだるさを訴えることもあります。中年の女性にこのタイプが多く見られます。これは味の好みに関しても大きく関係しています。甘味は、身体を緩める作用があります。反対に酸っぱいものは引き締め、苦いものは鎮静させる作用があります。特に女性は甘味をよく好みますので、特に注意しなければならない食物なのです。それから腹が立っているときのやけ食いも胃の働きを悪くします。
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