いままでは、自然界と身体の関係や身体の内蔵について概略述べてきました。今回からは、その臓の持っている機能、性格、働きを古典に基づきまして説明していきます。
現代医学とは、思想、哲学などの発生が違いますので、疑問な点があるかも知れないですが、これが東洋医学の大切な診断術であることを認識して下さい。また、東洋医学において、怒る、喜ぶ、悲しむ、憂う、恐がるなどの精神的な作用が身体の不調、すなわち内臓にそれぞれ影響を与えることを知りました。特にこの分野については、現代医学にも心療内科やカウンセリング療法では、大きく貢献している医学でもあります。これは、東洋医学のなかでも大きく自慢できる部分なのです。
次に示す表を見ていただくと分かりますように、五行について説明しています。私たち治療家が使うには、もっと数多く分類された項目があるのですが、ここでは代表的な内容を説明したいと思います。
まず「木」の縦の列を見ていただきますと、五臓は肝、五根は目、五色は青、五主は筋、五味は酸、五志は怒、五労は歩となっています。肝の作用は血の貯えですから、日常の厳しい社会生活で、特に働き盛りの男性には、会社内部での人間関係によるストレス、対外的な営業畑での熾烈な競争などの疲れ、パソコンなどの長時間使用による目の酷使による血の消費は、肝の機能低下として目の異常感を訴えます。大切な信号の発信なのです。そして血が不足してくると不思議と顔が青っぽくなってきます。
肝の血が減少してくると身体各部の末端に送られてくる血液も不十分になってきます。そうすると筋肉の引きつり、痛み、背中や頚の凝り症状を訴え、それが更に進むと五十肩、腱鞘炎などの症状が出てきます。夜中にこむらがえりのする人は、急性に起きた一過性の血の不足でありますし、時々起きる人は軽い貧血症状のように、血がドロドロ状になっていることもあるのです。
五 行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 | 備 考 |
五 臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五 根 | 目 | 舌 | 口 | 鼻 | 耳 | |
五 色 | 青 | 赤 | 黄 | 白 | 黒 | 反応を見て診断 |
五 主 | 筋 | 血 管 | 肌 肉 | 皮 膚 | 骨 | |
五 味 | 酸 | 苦 | 甘 | 辛 | 塩 | 好き嫌いにて診断 |
五 志 | 怒 | 笑 | 思 | 憂 | 恐 | 感情の確認にて診断 |
五 労 | 歩 | 視 | 座 | 臥 | 立 | 過ぎると疲れる |
鈴木治療院 |
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