Rule
はじめに
「カロム」って知っていますか?
彦根では昔から、といっても明治になってからですが「カロム」または、「カルム」とよんで子供たちのあいだで、盛んに遊ばれてきたゲームなのです。
ではそのルーツを調べてみましょう。
何とその原形はエジプト、エチオピア地方でつくられ、インドではインディアンスヌーカー、ビルマではブルーミスカロムと呼ばれてきました。
そして、イギリスに伝わって「カロム」(CAROM)となり、ビリヤードの発展とも深い関りをもっています。
日本には明治時代に宣教師が子供の遊びとして持ち込んだのがはじめだといわれています。
彦根にもその頃入ってきましたが、他の地域でどんどんカロムが忘れられていく中で、彦根の地蔵盆には子供たちが遊び続けています。
カロムって歴史があって、世界的なゲームだったんです。
それが日本ではこの彦根にしか残っていないなんて惜しいと思いませんか。
もっとたくさんの子供たちがこのゲームに親しみ、カロムがもっている歴史的ロマンにふれ、夢を世界にはばたかせてもらいたいと思います。
そして、カロムを通じて今のテレビゲームでは得ることのできない心のふれあいを得てもらいたいと思っています。
ゲームを始める前に
1.名称を覚えて下さい
2.ペアを作って下さい
このゲームは普通4人で行います。2人ずつのペアになって向かい合って座って下さい。
2人でする場合は、自分と相手が向かい合って座って下さい。
3.まずパックを並べましょう
赤と緑のパックを図のようにセンターサークル上に交互に並べて下さい。
ジャックは、ジャックスポットに置いて下さい。
ゲームを始めましょう
このゲームは、ストライカーを指ではじいてパックに当て、自分のストライカーの線と同じ色のパックをポケットに入れていき、自分のパックが全て入った後にジャックを入れた方が勝ちとなるゲームです。
1.打ち方は?
どちらか一方の手の1本、又は2本の指を使ってストライカーをはじくように打ちます。 この時、手が他のパックにさわったり、身体を他の人が座っている所まで移動させて打ってはいけません。
2.どこから打つの?
いちばん初めは、ストライカーはティースポットから打ちます。 2回目以降は、下の図のように、自分のエリアライン上にストライカーを置いて打ちます。 又、その時もエリアライン上にストライカーがなければなりません。 又、自分の順番が回ってくるまではストライカーを盤の上に置いてはいけません。
3.打つ順番は?
全員でじゃんけんをして、一番勝った人(勝ったペア)が赤のストライカーを持ちます。
2人の場合は交互に、4人の場合は、勝った人から順に時計まわりに打ちます。
4.さあ、打ってみましょう
自分のストライカーと同じ色の入れたいパックが、うまくポケットに入るように良くねらって打って下さい。 但し打った後は、パックやストライカーが完全に止まるまでさわってはいけません。 又、パックが立った時は、そのまま続行します。
5.交替
ポケットに入ったものが自分のパックだけの時は成功なので、続けて打つ権利が与えられます。 (同時に2つ入っても良い) 又、自分のパックと同時に相手のパックが入っても成功として続けて打つことができます。 但し、この時入った相手のパックはサービスとしてそのままポケットに入れておきます。自分のパックが1つも入らなかった時は、次の人に打つ権利が移ります。 又、次の表にあるような失敗をしたときは、ペナルティーとして、すでにポケットに入っている自分のパックをジャックスポットの上に戻して次の人と交替します。 ジャックスポットに他のパックやジャックがある場合は、その上に積んでいきます。 又、戻すパックのない場合は借りとしておき、入った時点で戻します。
6.失敗とペナルティー
失敗の状態 | ペナルティ | |
A | ストライカーが入ったとき | 1 |
B | 自分のパックが全部入っていないのに ジャックを入れてしまったとき |
5+ジャック |
C | 盤の外に飛び出したとき a.ストライカー |
1 |
b.自分のパック c.相手のパック |
出たパックをジャック スポットへ戻す |
|
d.ジャック |
5+ジャック | |
D | A、B、C-a,C-dの時に同時に自分のパックも ポケットに入ったとき |
失敗なのでジャックスポットへ戻す |
E | C-aの状態で、相手のパックがポケットに入ったとき | 1 相手のパックはそのまま |
7.勝敗の決め方
自分のパックを全部ポケットに入れた後で、ジャックをポケットに早く入れた方が勝ちとなります。 但し、ペナルティーなし(カロム日本選手権大会に適用)ジャックを打つ権利ができてから1回でジャックが入らなかった場合には、ペナルティーとして5個戻しその上にジャックを置く。のいずれかをゲームを始める前に決めておいて下さい。
ゲームを面白くするために
大人と子供がするときなどは力に差がありすぎるのでハンディーを付けた方がゲームが面白くなります。
又、上達するにつれてルールをむずかしくしていくとさらに興味がわくと思います。
尚、ルールを変えるときはゲームの始まる前に相手と良く話し合ってからにし、決めたルールは必ず守りましょう。
- 最初からパックの数を減らす
弱い方の人のパックを最初に減らしておき、交互に並べるときに余った強い方の人のパックはジャックの下に置く。 - ストライカーの置ける場所を変える
ティースポットにも置けるようにしたり、自分のエリアライン内ならどこでも打てるようにする。 - 打てるパックの位置
自分のエリアライン内にあるパックも打てるようにしたり、ティースポットにかかっているパックだけは打てるようにする。
その他のゲームを面白くするルールをいろいろ自分たちで考えて下さい。
競技会でのその他のルール
- 制限時間内にゲームが終わらなかった場合は、盤の上に残っているパックの少ない数の方を勝ちとします。但し、次のことに注意して下さい。
- 試合時間終了の時点で、1番の人が打っていたら4番の人まで打てます。4番の人が打っていたら、その人が終わった時点でゲーム終了です。
- 同点の場合は、もう一周だけ回します。
彦根カロム スコアカード | |||||
リーグ番号: 試合番号: カロム番号: | |||||
ゼッケン番号 |
勝......○ 負......☓ |
ジャックが 入れば1 |
パックの数 | 合計点数 | |
残ったパック | 入ったパック | ||||
(1) | (2) | (3) | 12-((4))= | (5) | (6) |
12-( )= |
試合時間終了の時点で、1番の人が打っていたら4番の人まで打てます。
4番の人が打っていたら、その人が終わった時点でゲーム終了です。
(5)パックは全部で12個ですから、12個から(4)を引いた数が入ったパック数です。
(6)点数は、(3)を百の桁、(5)を十と一の桁にとり、3桁の数字で記入します。
例えば、パックが全部入って、ジャックも入った時は、”112点”です。
パックが5個残った場合、当然ジャックも入っていませんから”7点”です。