食物が生きていく上で重要なことは、誰でわかっていることだと思います。テレビの健康特集や健康雑誌の毎月の特集を見ても情報が溢れている状況です。食物を分類すると「酸、苦、甘、辛、塩」になることは、説明させていただきました。古代人の最小限度でなお必要なものは残していく能力は、いま私たちが便利に応用しているのです。それは、賢い先人の賜物であるからです。味について5つに分けているのですが、これはこれ以外に足すことや減らすことのできない究極の分類であるのです。
木、火、土、金、水の生まれる話は、既に説明しましたが、復習しますと、「木」が燃えて「火」になり、それが「土」に戻り、地中から「金」鉱石が出て、そのまわりには「水」がしみこんでいる。というお互いに順序よく働きを持って、次のものを産んでいきます。「木」は肝、「火」は心、「土」は胃、「金」は肺、そして「水」は腎が配されており、肝心胃肺腎と調和しながら産んでいき、働いています。次に、今度は一つ飛ばしの関係に、「木」と「土」や「火」と「金」などの関係があります。「木」が成長するには「土」を侵します。「水」は「火」を消します。「火」は「金」物を溶かします。「金」物は、「木」を切ります。というように、木、火、土、金、水が一つ飛ばしに働くと抑制する働きになります。これを相剋関係といいます。このようなことから、肝(木)が強く働きすぎると胃(土)を侵し、腎(水)が強すぎると心(火)に影響を与えます。しかし、実際には腎は陰で、心は陽なので、よほどのことがない限り他の臓のように相手を弱らすことはないようです。そして「心」(火)は「肺」(金)を脅かし、「肺」(金)は「肝」(木)を脅かすのです。
このように、肝や胃の働きの調子によっては、考えられない別の臓に影響を与えます。そして病気になるのです。この理論を臨床応用に活かし、東洋医学的に病気の原因を診断することによって、どの経絡を治療するのか、どのツボを使うのか決定できるのです。 この相剋関係と以前説明した相生関係は、古典医学の真髄です。少し難しいかも知れないですが、これを知ることは予防医学にもつながる大切な理論なのです。
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