難しい病症の時、腎を治療することによって治るとは思いませんが、冬に夜遅くまで会社で残業や社会でのストレスによるイライラ、レジャーなどによる年中身体を動かしているスポーツ好きな人は、大切な陽気(エネルギー)が貯えられずに、消耗され続けています。古典では、必要以上に汗を出してはいけないと説いています。
汗を出すことによって陽気が発散され、無駄遣いしていることになっているのです。冬に腎は頑張って陰気を養っています。この陰気とは、種子を蒔く畑土の養分のように、じっくりと育つ生命力を育てる働きをしているのです。冬に活動しすぎるとこの養分が減りますので、冷え症となり、腰、足などの異常を訴えます。女性は特に、婦人科の症状、生理不順、膀胱炎、生理痛などを若い方でも訴える場合が多いようです。
このような人は、顔がよく火照り、のぼせ、足冷えなどの症状を経験されていると思います。この症状を解決するためには、身体の上半身、特に心臓、肺の熱気、陽気を足下の方へ引き下ろすことが必要となってきます。また、下半身に多い陰気、冷たい気を上部にある頭まで上昇させると頭がすっきりと目覚めたいい感じとなり、顔の火照りもとれ、足下は温かくなってきます。これが頭寒足熱の基本型なのです。
このような状態にするためには、腎の働きに無理をさせなく、食塩を控えることにより、血液をドロドロにしないようにして、腎臓へ水をたっぷりと水を送ることが大切となります。足下を冷やさない工夫も大切ですので、仕事や職場での環境は自分が特に気をつけなければなりません。また、特に気をつけなければならないのは、房事過度です。大切な精力、生命力の生きる元気の源を消耗するわけですから、丈夫であると自信のある方は特に使いすぎてしまうことがありますので、気をつけて下さい。
このような考え方が東洋医学の考え方なのです。西洋医学のように薬品や精密機械による検査、ウイルスや細菌の発見ができなかった時代の大切な病気に対する予防法であり、次に起こるであろう病状の予見もできるので、今日も残ってきた医療法なのです。人間は、生まれる前に胎内で受精したとき、腎の機能が最初にできて生命活動を行うといわれています。18歳前後に、肉体と骨格をつくり、親から貰った生命力を腎機能として発揮していますが、それ以降は自分自身にて完全に自給自足しているのです。分かりやすく申しますと、切り花のようになっている大人であり、うまく養生すると長生きができます。花も日当たりの強い所に置かれていると早く萎れてしまいます。その切り花の一生も人間と同じだと古典では説明されています。生活の中での環境とか食物がとても大切になってくるのです。私たち人間は、水によって生かされているのです。その大きな働きをしている水の機能を持っているのが、腎臓なので、東洋医学では重要視しているのです。季節で例えると冬の時期に当たると説明しましたように、一日で例えるなら夜に当たります。よって、夜の休養がいかに大切かが理解していただけると思います。
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