陰気、陽気と少し難しいお話なので、もう少し簡単に説明します。私たちは、陰の気の多い、少ないということは、なかなか自覚症状としてわかりにくいのです。しかし、陽気が多い、少ないということについてはよく分かりますので、この辺について説明しますので、よく覚えて下さい。
まず、陽気が不足する(この時は陰気が多くなっている)と身体が冷えてきます。そして、下痢をするようになります。汗を出すと陽気が発散され、陽気も減ってくるのですが、夏の季節は外界の気温が高く、陽気も同じように多いので、身体の陽気が不足してもあまり気になりません。しかし、冬になると外界の気温は寒く、陽気も少ないので、身体の陽気が不足すると余計に身体が冷え、冷え症の症状を多く訴えるようになります。
陽気が多い(陰の気が少ない)ときは、身体は熱っぽいので、発汗することにより余計な熱が発散されますので、とても楽になります。陽気が多いと口喝、呼吸困難、腫れ物、時にはうわごとを言ったりします。風邪を引いて熱っぽいときは、早く発汗させるのがよいというのは、この作用からです。冬の場合は、外界が寒いので、少し楽な生活が出来ますが、夏になると外界の気温も上昇するので、身体が苦しくなってきます。漢方薬では、このようなときに下剤をかけ、大便と共に熱を抜くような治療を行います。
多くの方々が、胃腸症状をよく訴えます。その方たちに症状をよく聞きますと同じ痛みをや不快感を何回も繰り返しておられます。このような症状の場合、アロエの葉をよく効くからと言って服用される方がいますが、これもよく考えて利用しないと間違いがあるのです。アロエの成分は陰性で、身体を冷やすと共に鎮痛作用があります。少し肥満型で、陽気が多く、元気な人がたまたま腹痛を起こしたときなどは、このアロエは非常に効果を発揮するのですが、身体が冷えているような人が同じように利用すると余計に悪くなる場合があるのです。胃腸が冷えて機能低下しているときに、身体を冷やすアロエを服用するわけですので、よくなるわけはないのです。このような冷えている人には、温飲食で身体を温めてあげることが一番効果があるのです。
東洋医学と漢方医学とどこが違うのか?と疑問をお持ちの方がおられると思いますが、基本的には同じなのです。江戸時代に、オランダから医学が入ってきて、この医学を蘭方医学と呼びました。それまで日本には東洋医学しかなかったため、この蘭方医学に対して、古く中国の漢の時代に発生した医学だったため漢方医学と呼び、混同を避けたのです。そして明治時代に、ヨーロッパから新しい医術が入ったことにより、蘭方医学から西洋医学となり、 それに対して漢方医学が東洋医学となったのです。この東洋医学のなかには、鍼、灸、あんま、マッサージ、指圧、煎じ薬、生薬、養生法などが含まれ、その中の飲み薬(湯液)を扱う治療家は漢方医として現在も存在していますし、私たち鍼灸師は、鍼灸の専門家として臨床に治療効果を発揮しているのです。
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