早いものでサタデーピアがNPO法人の認証を受けて10周年になります。おそらく彦根ではじめてのNPO法人だったと思います。これまで、様々な事業を展開しNPO法人を支え発展させてきた皆様のご努力に敬意を表したいと思います。
今、あらためて「よっ!」1号、2号をひもといて振り返ってみますと、大変懐かしい思いがよみがえってきます。H11年11月のNPO法人設立記念講演会では日高敏隆先生、木田孝太郎先生の対談に私も司会として参加させていただきました。ぶっつけ本番でしたが「遺伝」「学習」「言葉」「コミュニケーション」「集団」「社会」など重要なテーマが散りばめられています。普段から非言語的コミュニケーションの重要性を言っていたにもかかわらず、日高先生に「言葉というのはそんなに高級なものなんでしょうか」と指摘されてタジタジとなったことなど、今尚新鮮に思い出します。
またH14年に開催されたシンポジウム「障害者ってだれのこと?」では、当時既にICF(国際生活機能分類)の考えを取り入れ、個人でなく関係性のなかに障害を捉える視点が強調されており大変刺激的でした。
NPO法人サタデーピアはH18年に現在の場所に移転することになりましたが、たまたま私の実家の解体と重なったため、記念として実家の庭の生駒石を無理を言って移送していただきました。私が小さいころから登って遊んでいた石が、今は、サタデーピアの駐車場の一角に車止めとして納まっています。毎年の納涼祭では、ご近所の方たちが大勢集まって、流しそうめんやヨーヨーつりに興じるのですが、子どもたちがこの石に上って遊んでいるのを見るのが私の密かな楽しみです。
サタデーピアが運営する夢工房ifは、手作りクレープやクッキーやケーキが自慢の喫茶部門や手工芸作品を製造する工房部門があります。当初は共同作業所として出発し、H19年春からは自立支援事業所に移行しています。利用者の働きたいという希望を支援すると同時に、地域の方々が集い交流する場所となっています。私も、往診などで診療所を出た帰りに、ランチやコーヒーを頂いてゆっくりくつろぐのが楽しみです。
NPO法人サタデーピアの益々の発展を期待しています。
今後とも、NPO法人と手を携えて、地域精神保健医療福祉に少しでも貢献できればと考えています。