関連活動

精神保健福祉協会

 ●心の健康づくりを考える県民のつどい開催要領(2000.3.5)
  テーマ「笑いと健康」〜苦しい時こそユーモアを〜

 新しい世紀への期待と不安が入り混じる中、社会の変動は大きな精神的ストレスを生みだしているようです。去年一年間で3万人を超す自殺者がありました。不登校の子供の数は年々増えています。精神保健福祉の領域ではまだまだたくさんの課題が残されています。

 しかし深刻な状況に対して、眉を寄せて深刻に対応するだけでは、かえって状況を深刻な方向に追いやることにもなりかねません。状況が困難であればあるほどユーモアの重要性は増すと思われます。

 かつて、精神科医のフランクルは強制収容所という極限状況のなかでもユーモアを楽しむ人間の強さを見い出しました。ユーモアは困難な状況を乗り越えていく力を与えてくれます。ユーモアのあるところには、暖かい共感と理解の可能性が開けます。

 また、生活のなかに笑いは不可欠です。笑いには様々な機能がありますが、近年、笑うことによって免疫系を賦活し健康を増進することが指摘されています。ノーマンカズンズは笑いによって自らの難病を克服していった記録を残しました。笑いは体の内側のジョギングだとも言われています。

 新しい世紀に向けて心の健康を考えるにあたって、ユーモアと笑いについて共に思いをめぐらせる機会を持つために、つどいを開催します。

 ●心の健康づくりを考える県民のつどい開催要領(2001.3.11)
  テーマ「笑いと健康 パート2」

 ユーモアの素材は私たちの日常生活の隅々にまで充ちあふれています。それを見い出して楽しんでいけるかどうかは、それぞれの心の余裕とユーモア感覚に依存しています。病いなどの苦しみの渦中にある時、人は概ね余裕をなくしていますし、ユーモア感覚も見失っています。しかし苦しいときこそあえて、ユーモアで切り抜ける力を発揮したいものです。ユーモア感覚を磨いていくためには、ときに常識や固定観念からはなれて、自由にものを見ていく必要があると考えられます。

 昨年は「笑いと健康」〜苦しい時こそユーモアを、と題して講演とシンポジウムを行いました。今年はそれを受けて「笑いと健康、パート2」〜ユーモアの発見と笑いの創造、を企画しています。

 ユーモアと笑いは必ずしも一致するものではありません。ユーモアは人間への暖かい共感と理解が基礎になっていますが、笑いは時には攻撃的になったり、蔑んだりする怖れをはらんでいます。しかし敢えて、ユーモアの発見と、それを踏まえた笑いの創造へ、もう一歩踏み出して見たいと思います。

 価値観の多様化に伴って、各世代に共通した笑いは減少し、笑いの多様化現象が起こっています。従って、普遍的な笑いは存在しません。その場を読み取り、共感と理解を示すことによって笑いが生まれます。このことは笑いの技術的側面を示しています。とくに介護する側、看護する側、世話をする側にこのような視点はもっと深められてよいのではないでしょうか。

 新しい世紀の始まりにあたって、ユーモアと笑いについてもう一度、思いをめぐらせて見たいと思います。

 ●日本笑い学会・滋賀県メンタルヘルス支部 入会の御案内

滋賀県精神保健福祉協会では2000年、2001年と2年連続して(世紀をまたがって)「笑いと健康」をテーマに「こころの健康づくりを考える県民のつどい」を開催してきました。日本笑い学会副会長の織田正吉先生には「暮らしの中のユーモア」「ユーモアの発見と笑いの創造」と題する講演をお願いしました。昨年は「苦しい時こそユーモアを」と題するシンポジウムを行い、今年は一歩踏み込んで関係諸団体のパフォーマンスを披露していただく予定です。精神保健福祉の領域での、笑いとユーモアに関する取り組みは今後ますます重要になってくることと考えられます。「県民のつどい」におけるこのような試みを引き継いで、滋賀県の精神保健福祉の領域で笑いとユーモアに関する認識が深まり、それをもとにより一層充実した活動が展開されることを期待して、日本笑い学会・滋賀県メンタルヘルス支部をつくることといたしました。この主旨に賛同していただけます方の日本笑い学会と日本笑い学会滋賀県メンタルヘルス部会への御加入をお願い申し上げます。

2001.3.吉日
 (呼びかけ人)
  稲葉 光一 岩井 京子 木田 孝太郎 熊澤 孝久 角野 文彦
  上ノ山 一寛

連絡先 〒522-0054 彦根市西今町138
医療法人 南彦根クリニック




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