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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋 第61号(2017.8.31)

◆この夏は、大変暑かったですが、雨が降ると線状に降水帯が現れ、局地的に集中豪雨になる傾向がありました。北九州では多くの方が亡くなっています。台風5号は記録的な迷走の後、和歌山に上陸し、近畿地方をゆっくり北上。滋賀県にも大雨をもたらし、ついに姉川では切り通し部から氾濫という事態になりました。滋賀県は山から湖まで近いので、上流で集中豪雨があれば一気に流れ下ってあふれだすことは今後もあるかも知れません。思わずハザードマップを見直しました。

◆夏の高校野球では、彦根東高校が4年ぶり2回目の出場をはたし、一回戦で劇的逆転勝利、念願の甲子園1勝を果たしました。アルプススタンドを赤く染めた応援風景は圧倒的でした。国宝・彦根城築城410年祭「直虎から直政へ」の幟と並んで、商店街の到る所に、赤鬼魂の幟がはためいていました。彦根東高校の校歌を初めて聞かせて頂きました。古関裕而さん作曲というのをTV画面で知りました。名曲ですね。「栄冠は君に輝く」も「六甲おろし」も古関さんの曲なので、より一層親しみを感じました。

◆赤備えといえば、映画「関ヶ原」を見てきました。通院中の歴史好きの小学生が「夏休みの終わりになって封切するなんて」と怒っていましたので、これは見ておかないとと思い至ったわけです。井伊直政の出番は僅かでやや残念でしたが、石田三成の正義と、徳川家康の野望の対立を軸に展開される、邦画には珍しい大スペクタクルでした。中でも島左近と小早川秀秋は好意的に描かれており、近江の歴史ファンを喜ばせたのではないかと思います。それにしても、大変な数の登場人物の動きを、フォローしていくのは大変な作業ですが、あの小学生には、賢しらな知識を超えた楽しみ方があったのかも知れません。

◆平成29年7月、「自殺総合対策大綱〜誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して〜」が閣議決定されています。自殺は、その多くが追い込まれた末の死です。自殺の背景には、精神保健上の問題だけでなく、過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立などの様々な社会的要因があることが知られています。このため、自殺対策は、社会における「生きることの阻害要因(自殺のリスク要因)」を減らし、「生きることの促進要因(自殺に対する保護要因)」を増やすことを通じて、社会全体の自殺リスクを低下させる方向で、総合的に推進することが必要とされています。

◆我が国の自殺死亡率は、近年、全体としては低下傾向にあるものの、20歳未満は平成10年以降おおむね横ばいです。若年層の死因に占める自殺の割合は高く、若年層の自殺対策が喫緊の課題となっています。平成28年4月には、自殺対策基本法が改正され、学校におけるSOSの出し方に関する教育の推進が盛り込まれました。大津市では中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺して以降、いじめを見過ごした反省を踏まえ、養護教諭の2人体制を強化したり、LINEでいじめの相談ができる仕組みを作ったり、子どものSOSを受け止められる態勢づくりに先進的に取り組んでおられるようです。

(滋賀県精神科診療所協会 上ノ山)




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