◆今年は暖冬でしたが、それでもけっこう冷え込む日もあり、この春先は寒暖の差がことのほか厳しい日が続きました。そのような中で彦根城の桜は、例年より3日ほど早く3月30日に開花し、4月6日には満開になりました。花に嵐の喩えの通り、4月7日には強い雨風があり心配しましたが、翌日のお堀に浮かぶ花びらは僅かでした。舞い散る花吹雪も絵になりますが、嵐に耐えて偲ぶ満開の桜も趣があります。彦根市ではドローンを飛ばして、彦根城と桜の空撮をユーチューブにアップしています。「ひこにゃん 空中散歩」で検索してみて下さい。
◆NHK朝ドラの「あさが来た」が、今世紀最高の視聴率とのことでした。豪商の娘の成功話のどこがおもしろいのかと思っていましたが、夫婦の愛情物語に歴史上のできごとが絡み合って、ストーリーに緩みがなかったように思います。中でもディーン・フジオカの好演もあって、大阪商工会議所初代会頭五代友厚の功績再評価につながったのは、思いがけない喜びでした。主題歌の「365日の紙飛行機」は、作詞した秋元康の受け狙いのあざとさを感じて、当初は素直に聞けませんでしたが、いつしか「思い通りにならない日は、明日頑張ろう」という歌詞に励まされながら、出勤する日々でした。
◆「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名ブログが話題になっています。一億総活躍社会の実現というスローガンが掲げられていますが、保育園を確保できずに、働く女性が復職をあきらめるようでは、少子化に歯止めをかけることはできません。H27年4月現在、滋賀県では大津市が待機児童0を達成したようですが、長浜市では68人、彦根市では51人となっています。巧見さんというデータベースによれば、滋賀県の2015年人口は1,419,654人ですが、2040年には1,309,300人と推計されています。そのうち14歳以下人口は、2015年では204,049人(14.4%)でしたが、2040年には152,555人(11.7%)に減少することが予測されています。人口、とりわけ若者の人口が減ると社会の活気が失われるので心配です。
◆「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)がいよいよ、平成28年4月1日から施行されます。全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを高らかにうたっています。差別の解消について、障害のある人から求められた場合は、役所や事業者は負担が重すぎない範囲で対応すること(合理的配慮)が求められます。
◆平成28年4月1日には、改正障害者雇用促進法も施行されます。精神障害者への合理的配慮の事例集には次のような事例が紹介されています。曖昧な状況にストレスを感じやすく、工夫・応用が苦手な方に対しては、作業の流れや手順を決めて、できるだけ具体的かつ簡潔な指示を出すような配慮、心身が疲れやすい傾向がある場合は、短時間勤務から始め、徐々に勤務時間を延長していく等の配慮、などです。このように障害者の個別性に応じた合理的配慮が積み重ねられて、共に生きる社会に向けて進んでいけたらと思います。
(滋賀県精神科診療所協会 上ノ山)