関連活動


精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第35号(2009.1.15)

編集後記
◆ 去年の漢字は「変」とのこと。アメリカでは変化を掲げたオバマ氏が、黒人初の大統領に決まりました。アメリカ発の金融不安が世界に拡散する中で、47才のリーダーは大変な困難に立ち向かわねばなりません。地球規模の景気変動の波が私たちの足下に迫ってきているのを実感します。滋賀県のいわゆる優良企業でさえ非正規労働者を切り捨てはじめています。膨大な内部留保を抱えているのに何か変です。H19年のKYは「空気が読めない」だったけれども、H20年のKYは「漢字が読めない」という意味が加わったらしいです。言葉の変化について行くのも大変です。

◆ そのKY氏の主導する定額給付金が迷走しています。2兆円をばらまくという。これまで社会保障費が毎年2200億円削減され続け、医療も福祉も崩壊寸前で削減幅圧縮を巡る攻防が続いていました。その攻防も2兆円を前にしてみると空しくなります。H18年4月に障害者自立支援法が施行され、32条通院公費負担は廃止されました。年間500億円を超えることがダメだと。生きていくのに必要な支援にまで応益負担として1割負担が課せられました。国家財政のために痛みに耐えよと。その後宥和策としてH18年12月には特別対策1200億円(3年間)、H19年12月には総額310億円の緊急措置が講じられました。そこそこ大盤振る舞いかと思われましたが、2兆円を前にしてどこが大盤だったのかと思います。

◆ 近年、「子どもの心の問題」に対して、学校を中心とした精神保健の普及啓発や精神疾患に対する早期介入・早期支援の重要性が増しています。「今後の精神保健福祉のあり方等に関する検討会」第4回資料には、成人期以降に何らかの精神疾患に罹患している者のうち、(1)約50%はすでに10代前半までに何らかの精神科的診断に該当、(2)約75%はすでに10代後半までに何らかの精神科的診断に該当という、研究データが出ています。残念ながら日本ではS53年以降、学習指導要領により、精神障害は教科書から削除され そのまま今日に至っているとのことです。精神疾患に対する学校段階での早期支援・早期介入の体制作りが望まれます。(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)




お問い合わせはこちら!ご連絡は mihikocl@biwako.ne.jp までお願い申し上げます。
(病気・診療に関するお問い合わせにはお応えできません。)
Copyright (c), サイト内の無断複製および引用を禁じます。