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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第33号(2008.3.31)

編集後記
◆ 彦根城築城400年祭の効果で、彦根市の観光収入がずいぶん増えたそうです。たまたま私が昨年訪れた熊本城や松江城でも、400年記念事業が行われており、江戸初期のエネルギーに触れる思いがしました。今年は、高島市で中江藤樹生誕400年祭が行われています。

◆ 4月1日で揮発油税の暫定税率が期限切れとなります。それに伴い、道路特定財源の一般財源化が話題となっています。10年間で59兆円を道路につぎ込む予定だったらしいですが、この財源が少しでも医療・福祉に回ればと思います。

◆ H20年の診療報酬改定で、勤務医支援策として、診療所を叩いて400億円の財源を捻出しています。主に産科・小児科勤務医の支援策ですが、焼け石に水と思います。長年にわたり医療費抑制策を行ってきた構造的な問題です。最近になってマスコミもようやく医療崩壊の深刻さに目を向けるようになってきています。OECD加盟30カ国の中で、対GNP比の医療費は21位、人口あたり医師数は27位です。医療者の献身によって支えられる低コストの医療提供システムとなっています。
足りないのは産科・小児科医だけではありません。精神科医も全く不足しています。厚労省資料によれば医師総数約25万人に対して、精神科医は約1.2万人(4.8%)。総病床数約160万床に対して、精神科病床数は約35万床(22%)。4.8%の医師が22%の病床を支えています。その上に、267万人の外来患者を診ているのです。にもかかわらず総医療費約24.3兆円に対して精神科医療費は約1.9兆円(8%程度)に過ぎません。今回の診療報酬改定で自殺対策として、一般科から精神科への紹介は点数化されましたが、これも受ける側の精神科医の献身に依存した対策となっています。「こころのバリアフリー宣言(H16.3)」が医療政策にも反映されることを期待したいと思います。(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)








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