編集後記
◆ 今年の夏は記録的な猛暑の日々が続きました。岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市では8月16日に40.9度を記録し、74年ぶりに日本記録を更新したそうです。その中で甲子園では「がばい」旋風が吹き佐賀北高校が優勝しました。でも、もし誰か一人でも熱中症で倒れたらどうするのだろう、とつい心配してしまいます。
◆ 彦根城400年祭キャラクターのヒコニャンが人気で、私の身近なところでブームになっています。井伊の赤備えのカブトをかぶった猫(彦根藩二代藩主井伊直孝公を手招きして、雷雨から救った招き猫)をモデルにしているとのことです。タクシーの運転手さんが誇らしげに教えて下さいました。
◆ 7月29日に行われた参議院選挙は、自民党の大敗で終わりました。小泉構造改革路線の歪みのつけが一気に噴出した印象です。経済財政諮問会議主導で社会保障費削減、医療費削減を推し進めてきましたが、その結果、医療・福祉現場の荒廃が進んでいます。その一方で前九州厚生局長が所轄社会福祉法人から多額の金品の提供を受けていたとのこと。このような人物のもとで障害者自立支援法が成立したのかと、妙に納得です。
◆ 平成18年10月には自殺対策基本法が施行され、今年6月には自殺総合対策大綱が策定されました。「社会的な取組により自殺は防ぐことができるということを明確に打ち出すとともに、うつ病対策と併せ、働き方を見直したり、何度でも再チャレンジできる社会を創り上げて行くなど、社会的要因も踏まえ、総合的に取り組む」(内閣府)とのこと。9月10日は世界自殺予防デー。その後の1週間を今後毎年自殺予防週間となります。平成10年以降、年間の自殺者が3万人を超える事態が続いています。交通事故で亡くなる方の4倍になります。何とかこの異常事態にストップをかけねばなりません。(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)