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精神保健福祉協会だより 編集後記 抜粋

 第22号(2004.9.10)

◆障害者福祉施策を知的・身体・精神の三障害共通とし、介護保険と統合していくという議論は、介護の社会化、市町村の取り組みの義務化、他障害との格差是正など、精神保健福祉の領域にとってはメリットが大きいように見えます。しかしそもそもが財政主導の流れなので安易には乗れない気がします。

◆それにしても他障害と比べて精神障害福祉施策の立ち後れは顕著です。滋賀県の平成15年度の数値を比較してみると、ホームヘルプサービス対象者は精神100人に対して、知的は1580人。グループホーム等は精神16カ所に対して、知的は85カ所。ショートステイは精神4床に対して、知的・身体は74床。福祉就労の場は精神19カ所に対して、知的116カ所となっています。

◆ところで滋賀県は人口万対精神科病床数が全国で一番少ない県です。全国平均が28.0に対して滋賀県は17.6です。脱施設化、コミュニティケアが全国一進んでいるということでしょうか。一方、精神障害者手帳交付件数(万対)は全国平均が20.0なのに対して、滋賀県は13.2で全国42位です。この点では精神障害者福祉施策が遅れているとも読めます。

◆手帳によるサービスは、JR運賃の減免など、他障害とは大幅な格差があります。また障害者雇用率の算定対象外でしたので就労支援がなかなかはかどりませんでした。しかし障害者雇用促進法が近く改正され、精神障害者手帳への写真貼付を条件に障害者効用率に精神障害者も組み入れられそうです。

◆障害間格差をねばり強く埋めていくこともノーマライゼイションへ向けた課題の一つだと思います。(滋賀県精神神経科診療所協会 上ノ山)






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