探索10日目

遺跡探索開始から、何やえらい時間がたったように感じるんやがまだ10日しかたってへんのやな…不思議なモンや。 冒険でそれだけ濃密な時間を過ごしとる言うことやろうか…。 今日は二度目の大乱戦いうイベントや。 前回は遺跡探索が始まって間もない時でどこもあまり代わり映えせぇへんように見えたんやが、 今回はそれなりに日がたっとることもあってパーティ毎に色んな色が出とるように思えた。 ……かく言う俺の大乱戦参加パーティもなかなかのモンやったと思う。 メンバーは俺とエゼとナミサ。メンバーに異論は無い、異論は。…華が無いのは地味に寂しいのは置いといて。 問題は……エゼの持ってきた垂れ幕。「エロス組」 ……一体誰が言い出したのか話の出所を突き止めてやりたい気分や。大体男だからって理由ならエニシダだけ入ってないのはフェアやないやろ、フェアや。 こうなったら勝ち抜いていって優勝でもしてやらんと気がおさまらへんなッ!とか思っとったんやが…。 エゼは二回戦でイキナリおっぱいの世界へ旅だっていってしもうた………。ちょっと待てお前さん、ホントにエロスは大概にしといてや…。 ……いやまぁ、あんな薄い衣装で飛ぶの跳ねるのされたら、揺れるは捲れるはでそらもう大変な事にはなっとったんやがな、うん。 青少年には刺激は強かったかもしれへん。気分的には、その手の酒場か何かかと思わんでも無かった。 そして、次の三回戦でもまた飛ぶの跳ねるの揺れるのくねるので大変な事になった。…内容的は180度逆方向を向いていたんやが。 あの戦い方や戦法は、ある種尊敬の念を抱かんでもないな…真似は絶対にしとうないがなッッ! 結局トータルの結果では6回戦敗退…まぁ参加者の数からいったら中々なモンやろ。ただ、冒険前に何時もの冒険以上に精神的に疲れてもうた気はする。 さて、本来の冒険の方は、一度遺跡外へ帰還しての二度目の遺跡探索。 初回と違うて今回は先の探索で辿り着いた魔方陣からのスタートや。毎回毎回入り口からスタートせんでエエと思うと、大分気が楽になるな。 今回の目標言うか標的は、奥へ進もうとする冒険者を追い払っとるという噂の獣使いとその配下の二匹の獣。 サフィの超視力による偵察やと、赤い何かが結構な勢いで燃えあがっとる言う話や。噂だけのガセネタ言う訳でもないらしい。 しかし……この獣使いの目的は何なんやろか…?ベタな話やとこの遺跡の守護者?元々のこの遺跡の持ち主? はたまた俺らと同じ冒険者で他の冒険者を邪魔しとる…?もしくは誰かに依頼されとる…か? どう転んでもロクな話にはなりそうもないんやが、逆にこの島に財宝が云々言う話の信憑性がほんの僅かやけど上がりそうやな。 財宝…か。正直借金抱えとる訳でも、大金持ちになりたい訳でも無い。最低限の食えるもんはある。 財宝が無かったら無かったで特に問題はあれへん。今までと同じ生活に戻るだけや。 冒険者の血…言うもんやろか。フロンティアな精神を楽しませて貰えりゃ、それはそれで満足やな。 …仮にホンマに財宝があるとしたら…。 うちとこの孤児院のガキたちに毎日美味いモン食わせてたることが出来ればエエなぁ。上手い事やりくりしとるお袋と妹にもな。 親父は…こっそり傭兵やら何やらで偶に稼いで来とるんは知っとるんやが……親父のアレは出稼ぎ言うかほとんど趣味っぽいしなぁ…ほっとこか。 ……いや待てよ。親父が稼げへんような財宝見せて高笑いしてやったらどないやろか…? …………。アカン、アイツのことや。財宝なんかじゃこっちの思惑通り悔しがってなんぞくれへんやろな。 あの親父相手やったら、古代から伝わる宝刀とかのが悔しがってくれそやな…良し、ついでにソレも探して行こか!

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