デス様の気持ち

後編

(New:1998/3/13)

デス様は本当に「超魔王」にふさわしいゲームなのか

実は、このページの主題だったりします(^_^;)。

ここまで読まれた通り、世間(?)でも騒がれているようなことを、自分もずらずらと書いてきたわけですが、いや実際その通りなのですが、それではデス様は本当に「超」がつくほどのクソゲーなのかというと、

「そんなにひどいゲームでもないのでは?」
という気もしなくもありません。

いまだに MSX なんぞいじってるから、グラフィックや音楽に対する我慢の閾値がすんごく低くなってしまったのかなぁ(MSX ユーザーの同志の皆さん、ごめんなさいm(_ _;)m。でも MSX は好きです)、でもなぁ、そんなにイヤなものかなぁ、デス様って…?
…デス様を買ってまもなく、僕は伊月さんのホームページ(閉鎖)の伝言板に、「デス様買ったけど、確かにこれでいいとは言えないけれど、あちこちで言われてるほどひといとは思わなかった、この程度で帝王(クソゲーとしての)になるとはサターン界はレベルが高いなぁ、他機種ではもっと酷いゲームがある(少なくとも自分はそう思う)のに」という内容の書き込みをしました。
すると伊月さんは、「超クソゲーを期待していたのならそんなものでしょう(^_^;)、真のクソゲーはサタマガランキングで(10点満点中)4点代のもの、デス様については周囲が騒ぎ過ぎたのでは?」という内容の返事を書いてくれました。
むぅ、自分は情報に躍らされてしまったか。 ショックでした…。

サタマガや多くの Web ページでの評価は、デス様の現実の姿とはいくらかかけ離れたものでした。 ゲームや、特に音楽について、そこそこ認められる部分はあるのに、サタマガや多くの Web ページによる情報は、デス様に触れたことのない者に対して、正当な評価を隠し、必要以上にクソゲーというイメージを植え付けるものに思えます(個人の感性の差もあるかも知れませんが)。

我々は、マスコミやインターネットなどによる情報の暴力について、もっと真剣に考える必要があると思いました。 デス様、いやゲームに限らず、これら不当な評価に、必要以上に苦しむ者達が、この世にはたくさんいるのでしょう。 よい勉強になりました…。

デス様の、中古2000円という値段は、自分としては

まあ妥当
だったと思っています。 サタマガ読者レース、僕がデス様に投票するなら、(10点満点の)
3点
は付けたいデス。

せっかくだからいいところ探し by ポリアンナ

というわけで、自分が感じた、デス様のいいところを述べます。

※以下、かなり主観で書いています(^_^;)。

ゲームは、見てきたように確かに難しいし、コンティニュー回数、無敵処理などにも難があると思います。 敵の配置や動きなどにも、もっと練り込みが必要でしょう(特に空中敵)。
でも、なんか、ついついやり込んでしまうというか。 ゲームオーバーまでの時間は短い(難しい)んだけど、ちょっと息抜きにやるにはむしろ結構いい気分転換になります。 適度な刺激。

はじめは、ただ難しいという先入観ばかりありましたが、何回もやっているうちに、しだいに攻略の糸口が見えてきたではありませんか。 さらに、命中率を上げれば、シーンクリア時の得点が増えて、クレジット(コンティニュー回数)が増えることが分かりました。 また、敵によっては、数発ヒットさせることが可能なことも分かりました。 こうなると、その難しさも、ゲームオーバーまでの短さ、息抜きとしてのよさもあいまって、何回もチャレンジして攻略法(敵の出現位置、撃つ順序など)を見つけ出し、さらに命中率を上げるため、より正確な操作を極めていく、達成感や快感に転じていきました。 始めは、クリアはとても無理だと思っていたシーン1も、このような調子で3日後にはクリア。 クリアしたときはとても嬉しかったです。
難しさの中から自分で少しずつ攻略法を見つけ出して上達し、スイスイ進めるようになる快感を、久々に味わいました(^^)。
このページ書いてるとき、ちょっと久々にシーン1をやったら、敵を紡ぐように軽快にカーソルを操れて、かなり気持ちよく遊べました。

このゲーム、全体的に CD のアクセス時間が短いので、他のページでよく言われる、「ゲームオーバーになると ECOLE ロゴ(スキップ不可)まで戻される」問題も、個人的にはそれほど気にはなりません(^^)。

また、「いつ攻撃を食らったかわからない」問題も、攻撃が間近であることを示す枠が敵を囲むように表示され、その見せかたも十分分かりやすいので、これもそんなに問題ではありません(枠は徐々に小さくなっていき、最も小さくなる前に撃てばよい)。 強いて言うなら、たとえ遠ざかっていく敵であっても、枠が表示されれば(撃たないと)攻撃を受けることくらいかな(^_^;)。 サロニカの町(シーン1)ではこれで結構やられたなぁ、「なんでやねん」って感じ。


クソゲーほど音楽はよいの法則?

そして、このゲームの最大の美点は、実は音楽ではないかと思います。

他のページでは音楽も酷いように書かれているところが多いですが、それは恐らく、ゲーム中の音楽を内蔵音源で演奏しているからでしょう(ゲームが酷いから音楽も酷いと、冷静な判断をしていない人が多いという悲しい説もありますが(_ _;))。

実際、デスクリムゾンの、(内蔵音源によるものではなく)CD 再生による2曲(タイトル、オープニングなどで使われます)を CD プレーヤーで聴くと、なかなかに渋いというか、結構イケてます。 2曲目(3トラック目)の音楽の中盤あたりは、これからヨーロッパの地獄の舞台を、赤い運命を背負った男が闘いを挑むんだという、静かな壮大さを感じます(自分で何言ってんだか(^_^;))。

サターンの名誉のために言っておくと、サターンの内蔵音源は決してへっぽこではありません。 実際、そうきゅうぐれんたい(漢字忘れた)は音楽のほとんどが内蔵音源による演奏ですが、とてもいい音楽です。 ただ、内蔵音源で演奏させるには、おそらく CD で演奏させるより高度な技術が必要で、残念ながら、エコールにそれを使いこなすだけの技術が不足していたのだと思います。

もっとも、自分としては、内蔵音源版の曲(つまりゲーム中の曲)も結構好きだったりします。 音質やテクニックは確かにいまいちなのですが、元の曲自体がいいのです。 それに音質も、嫌になるほど酷いというわけでもありませんし。 MSX の平均的な FM サウンドといった感じでしょうか(一応褒めてるつもり(^_^;))。 まぁ中の下というところでしょうか。 とりわけシーン1、3(4)、5の音楽はまあまあだと思います(いいと言い切るにはちょっと躊躇するかな、ごめん(^_^;))。

最近、僕以外にも、音楽はいいという人が少なくない(?)ことが分かり、やっぱり自分の感性は(あまり)おかしくなかったんだと、何だか安心しました(^_^;)。 あまりゲームミュージックらしくないところも味みたいで。
彼らの間では、シーン2(リムブルク大学)の音楽が、チャーチオルガン(?)がやや耳障りな気もするけど、意気揚々な感じで人気が高いようです。 また、自分はまだ聴いてませんが、エンディング曲も物悲しさがただよう名曲だそうです。

そして、今まで自分が聴いた範囲で最も好きな音楽は、オープニングの遺跡のテーマです。 あれは本当に心に響きます。 辛いことがあるとふと、あのどこか物悲しい笛の音を思い出すことも…。
ある新聞で見たと思うのですが、真の音楽とは生きることの悲しみを表現しているものだ、だからこそ音楽は人を勇気つける、という意味のことが書いてありました(ごめんなさい、記憶があやふやなので、少し間違ってるかも知れません)。 そして、あの遺跡のテーマを聴いていると、悲しくなると同時に何だか勇気付けられたりもするのです。
遺跡のテーマは、実際にはもっと長い曲のようなのですが、オープニングではその一部分しか聴けず、他に聴けるところもありません(恐らく)。 とても残念です。
…うーん、これって褒めすぎかな。

そんなわけで、内臓音源版を含めてフルアレンジした、デスクリムゾンの CD が出るといいなと本気で思っている今日この頃なのでした(^^)。


デスデスデッス〜ン!

デス様について、もっと知りたい、他の方々の意見を読みたいというのであれば、この辺のページにドライブするといいでしょう。 でも、真実はやっぱり、プレイしたものにしか分からないのかもしれません。 だからといって、万人に「是非買いましょう」と勧められる程のゲームではないのが痒いところなのですが… f(^_^;)。

エピローグ

ビーバーは「バトルガレッガ」「わくわく7」、そしてこの「デスクリムゾン」の3本で、サターンの元は取れたと思っています(爆)。
…でも、デス様がサターンを占領していたのは1週間くらいで、その後はまた「わくわく7」(これも深い思い入れあり)に戻っていたり(^_^;)。
でもたまに遊ぶとやっぱり楽しい(^_^)。

↑前編

↓番外編1: オープニングのセリフの謎を解く?

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