「東洋医学」とは、一口に話すことができないほどに巾は広く、奥の深い学問です。宇宙、自然、環境、食事、大地などを含めて思想、哲学の発展が3500年前から経験的に現在に至っているのも、その原理原則が活用され、世界中の現代医学の学者においても基本理念は正しく評価されているからなのです。
私たちは病気をせずに、日常を健康に生活できる養生法を持ちたいという望みは、永遠のテーマです。しかし、一人ひとりが生まれながらに貰ってきた体質やその後の生活環境によって体質は変化してきます。東洋医学の考えでは、ある年齢までは生まれながらに持っている生命力でぐんぐんと成長していきますが、途中からは養生がかなり影響を与えると考えられています。日々の生活とその後の生命維持に大切な食物がどれほど重要であるかは、皆さんご承知のことと思います。もし皆さんが病気になったときにどうしたらいいのか。それは、自分の体質にあった正しい養生法を早く見つけだすことです。
現代医学は、日本を世界一の長寿国になるまで貢献してきました。しかし、検査法は日進月歩のように発展しているものの、治療法についてはまだまだ発展できていない部分も多々あります。ある種、これは仕方がないことなのかも知れません。その点、東洋医学は、自然と身体が一如であると考えています。陰陽の働くそれぞれの特徴と五行論による「木、火、土、金、水」の5つ分類に通じる思想摂理は、養生するにおいて、大変重要な基礎になっています。四季に応ずる対応と内から生じる七情「喜、怒、憂、思、悲、驚、恐」の乱れは、検査では分析できない病気の原因になりますので、十分注意して下さい。
本当に健康な人は、普段からあまり身体のことについては気が付かないで生活しているものです。気になるときは、身体に何らかの信号が出ているときと考えられますので、一度注意して自分の身体を見て下さい。
長い間拙い内容でありましたが、東洋医学からみた「現代の養生訓」を説明させていただきました。ご愛読いただきまして、誠にありがとうございました。皆様が健康で、少しでも元気な一日を過ごせる何らかの参考になればと考えております。
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