私たちは、日常多くの情報を得ることで、多くの人々が健康に関心を持っています。特に、若い女性などは、自分が生理不順であり、冷え症の症状を持ちながら、美容食として、生野菜のサラダや果物を多食しています。これは確かに、成分的からいいますと効き目があるのですが、冷飲物が良いのか、温暖食が良いのか、ビタミンが多いから良いのか。自分の体質をよく知って、考えていかなければなりません。
次は塩味について説明します。腎の働き、水の調節と塩の作用は詳しく説明すると、きりがないほどあります。腎の中には、水が充分に存在していることは、以前に説明しましたし、塩味の働きについても簡単に説明しました。私たちの体重の約65パーセントが水(体液、血液)などです。この体液や血液は、身体を巡っては老廃物を腎まで運んできて、腎にて濾過され、また利用できる水は再び吸収されて、腸へいきます。汚れた水は、そのまま体外に排出されるのです。
腎は、多くの水を抱えて、冬の万物の働きのように静かに、じっとして働きます。その腎に水が多くなりすぎた時、塩の作用で水を浸透圧の作用で滲ませ、腎の緩みを堅くしてくれるのです。しかし、水が不足すると腎機能が低下することについても説明していると思います。この部分が東洋医学で大事な内容なのです。
私たちは、平均して水の取り方が少なく、塩の取り方が多いので、五臓に多くの症状が出ています。例えば、高血圧症状の人などは、血管が細くなって血が流れにくくなっていますから、塩を多く取りすぎると血管壁から塩の力で浸透圧の作用が発生して、血液中の水分も外に滲んでしまうことから、高血圧症状を亢進させてしまうのです。これは相剋関係で説明した「水」は「火」を侵す作用なので、腎が心を悪くするからです。
現代医学でも腎臓病の人は、腎性高血圧となっている方がいます。塩の働きは大変役立つ物質ですが、取りすぎるととても怖い物質なのです。塩の取りすぎで、知らず知らずに血液がドロドロ状にならないように気をつけたいものです。そのためには、まず口の渇きがあまりないことが大切です。また、血圧の低い人には、塩の取り方の工夫も必要です。しかし、塩味の薄味が好きな方がおられます。そのような人には、唐辛子やワサビなどの香辛料を上手に利用して、軽い刺激の感覚を塩味の代わりとすることも食事療法の中で、誰にでもできる養生法です。五味のそれぞれの性格、性質を知ることも身体を丈夫にする、自分を守る為のものになるのです。
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