1989年から、水と文化研究会が、琵琶湖研究所の委託を受けてホタルの調査を行いました。気象庁のアメダスにひっかけて、ホタルダスと命名されたこの調査は、その後も毎年行われており、1996年も行われました。調査結果の一部は1996年10月に開館した琵琶湖博物館にも展示されています。
朝日新聞 滋賀版「近江ホタル風土記」'90.06.19 に載った私の文です。
ホタルダスには昨年から参加しています。それまでは「ああ、ホタルが飛んでいるな。そんな季節になったのか」といった程度の思いしかありませんでしたが、この調査に参加して、ホタルだけでなく、川にも興味を持って見るようになりました。
「家庭排水のなかのホタル」というと、たいそう汚い水を想像されると思いますが、いつも観察している川は、百戸ほどの集落の中を流れるごく普通の川です。私の家の前では川幅一メートル、片側は石垣、もう一方はコンクリート。川底は泥。家庭排水がかなり流れ込んでいますが、水量が多いのでやや汚いといった程度です。
毎晩8時前後、食事が終わってふろに入る前に、三歳になる息子と見に行きます。「あそこにホタルがいる」と息子は大騒ぎです。いつもの調査地点には多いときで二十匹ほどのゲンジボタルやヘイケボタルが出ます。
先日、五百メートルほどさかのぼってみました。村はずれの水路には百匹を越えるホタルがいるではありませんか。そこはほ場整備でできた水路です。こうしたところにもたくさんいるんだなぁ、と思わず感激してしまいました。