当青年会議所は、２０００年度に創立３０周年を迎え、我々が今後活動していく
上で１０年間の道標となる長期活動指針「ニューコミュニティーの共創」を作成
しました。この指針では、まちづくりの分野における最も基本であり重要な取り
組みは、私たちのまち「もりやま」に対し、「自分たちのまちは自分たちが責任
を持って創る」という意識の高揚であるとの考えに立っています。２００１年度
は、この意識の高揚を図るため、まちの未来を考えた場合、避けては通れない重
要な課題のひとつである「市町村合併」という観点から地域を見つめ、まちの将
来像と市民のあり方を考え、参加者が真の市民となり、今後の地域のリーダーと
して活躍していただけるよう事業を展開いたしました。

それを受けて２００２年度では、市民主導のまちづくりへと転換が図られようと
している今日、今後その中心を担うであろう存在で、尚且つ、自分たちがまちを
創っているということが肌で感じられるような「身近なもの」として、地域で活
動しているNPOに焦点を当てました。NPOの活動は多岐に渡り、その活発な活動が
今まで積極的に「まち」に関われなかった市民のまちづくりへの参画のきっかけ
になると共に、多種多様な市民の活動がトータルとしてまちを豊かにすると考え
ました。しかしながら、私たちのまち「もりやま」に目を向けると大小様々な団
体が活動を展開されているにもかかわらず、その正確な団体数や活動を把握して
いる機関もなく、その情報が市民に届いていないのが実情でした。そこで、まず
メンバーひとり一人がしっかりと守山市内のNPOの活動内容や実情を理解しなけ
ればならないと考え、市内NPOにアンケート・活動調査を行い、その結果をLOMメ
ンバー全員で共有し、理解を深める対内事業をおこないました。そして、そこで
得た「市民・NPOの情報不足」を如何に効果的に解消するかを熟慮し、事業を２
部構成に分け、別日程・別会場で行いました。

第一部（ファーストステージ）では、より多くの方に、市内NPOの活動を身近で
楽しいものとして感じてもらえるように、守山夏祭り『フェスタMYOUREN２００
２』という祭りの中で、ブースを設け、来場者に活動発表や実演、体験を通して
「きて　みて　さわって」もらえるよう実施しました。続く第二部（セカンドス
テージ）では、ファーストステージの来場者や過去の我々の事業参加者、NPOな
どを中心に参加者を募り、近隣地域の活動や県内の先進地事例紹介、市民アンケ
ートの結果報告、ワークショップを用いて意見交換や意見集約を行いました。こ
こでは、先のNPOへのアンケートと市民へのアンケートを照らし合わせることで、
それぞれのニーズの違いを明確にするとともに、近隣地域や先進地から「もりや
ま」独自の活動を考え、市民・NPO・行政がどのようにかかわり、まちづくりを
進めていくべきかを「きて　みて　しゃべって」もらうことができました。本事
業を通じて、参加者からは「団体同士の横のつながりができた」「NPOって福祉
以外にもいろいろな活動があり、楽しそう」などの声を聞き、我々の趣旨を理解
していただくことができました。守山市においてNPOにスポットを当てた調査や
事業は初めてであり、調査結果やアンケートはデータベース化して、LOMのホー
ムページへのアップや市内公共施設にてファイルで閲覧していただけるように
しました。また、事業参加者の中から、ネットワークセンターやサポートセン
ター立ち上げに向けた取り組みを始められる方もおられ、これに追従する形で、
行政も積極的な取り組みを初め、我々の調査報告などを含めた市職員の勉強会の
開催など、多くの反応が寄せられ、今後のまちづくりにおける市民の多彩な活動
の重要性を理解するとともに、行動を促せた点が事業の特筆すべきことでした。
　なお、本事業においては、当青年会議所もいちNPOというスタンスを取り、他
の団体や関係諸機関と共同で事業を展開できるよう、ミーティングを行うことで
様々な場面でご協力を頂き、互いに切磋琢磨してひとつの事業として開催するこ
とができました。　市民ひとり一人が多様な市民活動を通じて自己実現を図ると
ともに、その個々の活動がまち全体としてバランスの取れたものとなり、
「明るい豊かな社会」につながるものであると確信し、褒賞申請いたします。