内容を追求するのは実力がある者がすることらしい。 同じ結果であっても中身が伴ってないとそこを改善しようとする。 私はどちらかといえば実力がなきもの。今までは結果が欲しかった。 内容はどうでもいい。良い結果を続けることが実力をつけることになる。 ここまで色々な経験をしてきたが、少しは成長しているのだろうか…? 結果を出さないといけないのは戦闘だけではない。 この遺跡報告書にしてもそうだ。不適任と判断されれば強制送還になる。 残りの時間が少ない中どこまで私はできるのだろうか。 ──と、いうか実家に戻りたくない。 確かに実家に戻れば、毎日毎日料理したりとかできるけど。 それは魔法とは関係のない日々。魔法を必要としない日々。 それなのに魔法を引き継がないといけないという伝統。少しおかしくないだろうか。 ……。 まぁ、先のことより目の前のこと。今は全力全開で突き進むしかないのだけどね。 *** ほうこくしょ *** ─この日記が表示されている頃には残り1日に。 私達は第1階層の床の道の途中にある魔法陣「水先案内」をそのまま通過した。 当初の予定ではここで一休みできるはずだったのだが。予定が狂ってしまったのは前に述べたとおり。 今惜しいのは身体の疲労ではなく時間だったのでこればかりは仕方がない。 もちろん通過する前にいつでもこの魔法陣に戻ってこれるように残しておいた。 時間のない今はあまり意味がない行為だったと言う人がいるのかもしれないが、 これは記念スタンプを押したものだと思っておいてもらいたい。 私達がこの場所に確かに到達した証を残しておきたかった。十分すぎる理由だろう? 「水先案内」からの床の道を進むと、二手に分かれる道がある。 真っ直ぐ西へ進むルートと右手に曲がる南へと進むルート。本来の予定はここで右に曲がる予定だった。 この先には第2層への道がある上にもう1つ魔法陣があるらしいが…残念ながら実際に確認することはできなさそうだ。 ここは残りの時間の都合上、直進するルートを選択して先に進むことにした。 ところで床のモンスターはずいぶん打たれ強い印象を受けた。 今日戦ったモンスターはビッグエイプという名前のモンスター2匹だったのだが この1匹を倒すのに随分と時間がかかってしまったのだ。いつもの平原のモンスターを全部倒す時間と大体同じくらいである。 結構狙って攻撃をしていたはずなのだが、ここまで時間がかかると3匹出てきたときを考えると恐ろしい。 倒す時間がかかればかかるほど私達の被害も大きくなるのが容易に想像できるし、 しかも特に戦闘中に回復ができないのなら長期戦になればなるほど形勢は不利になるからだ。 こないだの第2階層の戦い方といい。魔法の取り方ももう少し考えないといけないと感じはじめている。 攻撃魔法だけではなく別なこともできてこその魔法ではないだろうか。 (*ナミサの日記〜23日目抜粋)

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