探索3日目

……体が痛い。全身筋肉痛に加え、新しい傷があちこち痛む。 全ては今日の戦闘によるものだ。 まったく、思い出すだけで痛むのはどうなんだ。 とりあえず、事実を記しておく。 3日目、パンサー隊は夜明けと共に毒蠍3体と戦闘に入った。 夜明け前に食事をとり、見張りの時に打ち合わせも済ませておいた。 用意万端だったわけだ。 しかし……勝ったものの、こちらも大きな被害をこうむった。 初めての戦闘で緊張していたこともある。実際、腕が震えて狙いが定まらなかった。 かっと頭に血が上り、むやみやたらに打っていたら戦いが終わっていた……そんな感じだ。 でも予想以上に、敵の動きが素早かった。蠍とは、あんなに速く動けるものか。 砂地に足をとられるこちらと違い、直線的だが速い動きでなかなか命中しない。 そのうえ尻尾の針には痺れや痛みを生じさせる毒が含まれていた。 フォウトさんが毒に冒され、最後の一体を倒すと同時に気を失われた。 幸い戦闘後の治療により、動けるようにはなってらっしゃったが… 己の未熟をただ恥じるのみ、だ。最初の一撃を決めていれば、もっと楽に戦えたはず。 それにしても、これほど自分に力が無いとは。情けなくて涙が出そうだ。 父さんと母さんも、最初はこんな思いだったのだろうか。 ……僕は若い。まだこれからだ。次は必ず、決めてやる。 他にも色々あった。まず、初めて防具を人の為に作った。 自分の為に作った籠手ともども、ひどいできだ。 あの材料のせいにしたけれど、やはり未熟なんだろう。 そして、エニシダさんがシャーク隊からはぐれてしまったようだ。 砂地での戦闘後、寝過ごされたのだろうか。自分も気をつけなくては。 ともあれお身体が心配だ、無事を祈る他にない。 あとは……ああ、あった。思い出すだけで恥ずかしくなる。 なんとフォウトさんが、あんな大声で、僕がエロスだと叫んだんだ。 全く酷い誤解だ! どうにかして解かないと。今後の重要なテーマだ。 …明日も、無事でありますように。

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