探索15日目

満点に輝く星。 晴れ渡った夜空。 そう、ここは遺跡の外。 久々の空気を味わう。 中も悪くないが、やっぱり外はいい。 今日のはまた、格別だ。 戦いはひとまず終わった。 そう、勝ったんだ。 震える手を堪えて、弓の弦を絞った。 いつしか唇を噛み切っていた。 他は緊張で、ほとんど覚えていない。 ただ1つ、覚えているのは。 フォウトさんが、赤毛の少年へ短剣を振り上げた瞬間。 身体が、勝手に動いていた。 ……遺跡の外では、何も話さなかった。 人にはそれぞれ、理由があるのだろうから。 でも、僕には認めることができない。 武器を捨てた相手に止めをさすなんて。 人として、漢として、それは正しくないのじゃないだろうか。 風が、頬を撫でる。 今日は月がでていない。 星達に活躍を譲ったのだろうか。 ふと、戦いの瞬間を思い出す。 …今日の勝利も偶然なのだろうか。 彼らが、道を譲ってくれたのかもしれない。 でも、次に会う時は。 震えることなく、弓を絞る。 敵の動きを冷静にとらえ、的確な判断をする。 必ず、そうなっていよう。 そして。 フォウトさんにあんなことは、させない。 女性の手を血で染めるのは、防ぐ。 それは……僕自身の、誓い。 この誓い、胸に刻み込んだことをここに記す。 …明日の朝には、遺跡へと戻る。 今度も無事に戻れることを、祈ろう。 まだ、旅は終わらないのだから。 XXXX/XX/15. Ese Krofild.

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