探索24日目24日目。 明日で、この島から一時的に退去しなくてはならない。 地殻変動だの遺跡が動くだのまことしやかに囁かれているが実際のところはどうなのだろう。 確かに、低く重く地鳴りが続く。地の底から、歌が聞こえる。 鞄に放り込む前に、レポートのページを軽くめくっていく。 抜けも目立つ、粗い走り書き。時間が足りていないのがよくわかる拙さだ。 約一ヶ月弱。 その程度しかこの島に滞在していなかったことに軽く驚いた。 まだ、調べ足りない。全く、足りていない。 俺は戻ってくるだろう、この島に。 手がかりの片鱗にすら触れていないのに引き下がれるものか。 一段と大きな揺れが来た。そろそろ、限界のようだ。 さっさと船へと向かうべきか。 あの人込みの中を往くのは気が思いが、仕方がない。 こんなところで家具に押し潰されて終えるのもくだらない。 あいつらは……どうするのだろうか。 また、あいつらと旅をするのだろうな、などと自然に思っていた自分に軽く驚いた。 随分と、毒されたものだ。だが、それも悪くない。 この島に居る間ぐらいは、せめて。 此処で、道が別れる者も居るだろう。 そして新たに道が交わる者も居るだろう。 俺の道は未だ―――