探索13日目

紅の翼及び獣使いとの交戦の為の準備を各隊で整える。 あくまで、出来る範囲内で、だが。万全とは言い難い。 だが、体調や食糧の都合でこれ以上先延ばしにすることは出来ないのだ。 ――燃え盛る翼。 陽炎が大気を歪め、獣臭さを風が運んで来て奴らの存在を嫌でも知らせる。 奴らを打ち破らない限りこのルートは先へ進むことは出来ない。門番、なのだろう。 既に何組かのパーティが突破した、との噂も耳にした。やはり一番乗り、とはいかなかったようだ。 多少、惜しい気もするが武勇に逸って返り討ち……よりは良いだろう。 ----------------------------------- 今日の狩りの相手は巨大ハムスターと牙蜥蜴だった。 巨大ハムスターとは初めての交戦になる。 まるっこくてフワフワとしたアレをそのまま巨大化させた風貌にどこか歪んだ悪意を感じる。 敵としてはひたすら齧ることだけに疲れて後は単調な相手なので牙蜥蜴などと比較するととても与し易い。 キャリアであることにだけは気をつけておかねばいけない所だが。 そんな相手なのでどうということもなく、終了。 試しに肉を切り出してみたらなかなか上質な肉を得ることが出来た。 味や臭みはどうだかわからないがその辺はウチの腕利き達の領分だろう。 獣との闘いの日々。 やはり疑似槍だけでは捌ききれない場面は、在る。 少し悩みはしたのだが、やはりフォウトに教えを乞うのが手っ取り早い。 厳しいが、腕は確かだ。 こうして、旅の中で互いを磨き合える……というのも悪い関係ではない。 ……おかげさまであちこち青アザだらけにはなっているが。

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