探索手記-7日目-

同じくプレゼントが届いたという人からメッセージを貰った。 なるほど、どうやら私達の他にも受取った人が居るようだ。 カードによると39人。肖像画もそれぞれ得る事が出来た。 着ぐるみだったのは私のほかに数名。あとは赤を基調にした服やドレスと言った華やかなもの。 二晩限りのドレスパーティ(一部除く)は、見た目にも華やかで楽しいものに終わった。 …この肖像画は、記念に取っておこうと思う。 (余談だが、肖像画を良く見たらやはり体が透けて見えていた。なんという事!) クロスレンジでの戦闘手段を鍛えるべく、先日迷い込んだ森へ再び向かう。 どうやらここは思念に反応するらしく、「森へ行こう」という意志があれば自由に行けるようだ。 時間の経過が違うという事は、それだけ濃密な訓練を積む事が出来るという事。集中訓練でものにするには丁度良い。 そんなわけで、訓練していたのだけど…一緒に来て貰ったフォウトさんに、ダンスの訓練と間違われた。 それほど滑稽だったのだろうか…短剣の扱いなんてした事がないので無理もないのだけど (刃物は料理をするくらいしか使わないのだ)。 素人一人では訓練にはならない。そういう事で、指導をしてもらう事にした。 指導と行っても手取り足取りという事ではなく、いきなりの実戦訓練。習うより慣れろ、という事だ。 一本の短剣で、攻撃・防御を行う。想像以上に難しい。 そもそも私は術師なので、この手の近接戦闘訓練は初めてだ。 夜が明ける頃にはすっかり疲れ果て、立ち上がることも出来なくなっていた。 それほどみっちりやっても「初歩の初歩は出来たようですね」というレベルらしい。 だが、その「初歩の初歩」であっても魔術との複合応用は可能になった。 いきなり実戦で使う事になりそうだが…いずれにしろ、一度は使わなければいけない。ある意味丁度よかったのだろう。 いきなり実戦でこれを使う事になった理由は私達のほど近くにいる敵の集団。 歩く小さな岩が3つ、大きな蟋蟀が3匹。それをパーティで分断・撃退する事になったのだ。 召喚魔術で戦力に余裕がある私達が岩を2つ担当し、二番隊が岩と蟋蟀、三番隊が残りの蟋蟀2匹という分担だ。 情報を総合すると、岩はかなり手強い。私達が全力でかかっても負ける可能性がある。 その為、少しでも手札を増やしておきたかったのだ。 とはいえ、初めて使うもの。集中力の加減やタイミングと言った部分は手探りになる。 上手く発動してくれる事を祈りたいが…発動しなかった時のことは、考えないようにしよう。

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