語られる事の無い手記・二十五日目

 全てを終えて今、私は遺跡外の港に居る。ここから船に乗り、一時この島を離れる事になるのだ。  共に行動してきた他のメンバーの予定はまだ知らない。それ以外で関わりのあった人たちは、一時退去の後に戻ってくる人も居るという。  パーティのメンバーが再び集まる事が出来れば、それに越したことはない。  ここでの二十五日の探索で、私達パーティは存外上手く回る事が判明した。そのような集団を、一切のコネクション無く築き上げられるというのは滅多に無い事だ。  この人間関係──私を始め人間ではない者も多々混ざっているが──を崩すのは非常に勿体無いだろう。できれば、次の探索先でもこのメンバーを崩さずに居ておきたいものだ。 (少しの空白。何かを書いて破り去ったような跡。次のページに映っている筆跡から読み取れるのは、「宿」「経営者」「客」といった断片的なもの)  まもなく出航。途中に寄るはずの島で私は降り、そこで次の探索への連絡を待つ予定。  到着までの間、他メンバーと今後について話し合おうと思う。

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