軽車でGO! 旧北陸編

(柳ヶ瀬→今庄)
(New:2002/11/4)

JR(旧国鉄)北陸本線の、滋賀と福井の県境の辺りは、昭和30年代までは、今とは少し違うところを走っていました。 今の線が開通した後、古い方の線は自動車道路に改造され、今日に至っております。 僕としては、鉄道跡が自動車道路になっているというだけでも興味津々なのに、ここは鉄道にとっては、勾配やトンネルが連続した難所。 これは是非ともドライブせねば。 このあたりは雪が激しく、あまり遅い時期には行けない。 ちょうど仕事も一山越えた休日。 せっかくだからと、出掛けてまいりました。 今回、鉄道跡を走るってことで、まさに「軽車で GO!」、ですね(笑)。


まずは国道365号を北上、途中、右に折れてすぐに柳ヶ瀬トンネル。 柳ヶ瀬トンネルは、ちょうど滋賀と福井の県境にあり、すぐ右手には北陸自動車道のトンネルも並行して存在している。
入り口は狭く見えるが、長さは1km 以上もあり、しかもトンネル内はかなりの勾配だ。 まぁ勾配とはいっても、自動車なら特に問題のない程度なんだけれども(軽車でも楽勝楽勝!)、鉄道時代は大変な難所で、トンネルの中で乗員が(石炭の入れ過ぎで)窒息することもたびたびだったとか。
新線が開通して、自動車が通れるようになった(線路を撤去して舗装)んだけど、当初は国鉄バス専用道路でした。 このバス路線が廃止された時、地元の要望(だったと思う)で、一般車が通れるようになったのでした。

というわけで、入口と、その脇にあった石碑。
柳ヶ瀬トンネル・余呉(滋賀)側入口 石碑
うむ。 いかにも鉄道跡って感じだ。
トンネル内は、クルマがすれ違えるほどの幅はないので、一方通行だ。 入口には信号があり、交互に流れるようになっている。 待ち時間も電光表示で、この後通ったトンネルたちと比べると、結構近代的な印象。 1km 以上に渡るトンネルの信号待ちゆえか、待ち時間はとても長い。 5分以上あるのではなかろうか。 待ってる間に、クルマから降りて写真撮り。 相当待ってから、固まって車が出てきた。 やはり、交通量は結構ある模様。 信号右の1つ目はなんだろう。 入口写真左下には、2輪車用の押しボタンがあるよ。 4輪車とどう変わるのかな。 原付と仮定すると、待ち時間の延長とかかな。 そうそう、歩行者は通れないよ。

鉄道車両といえば、かなり大きな物だと思うのですが(国鉄・JR の在来線なら幅2.7〜2.9m?)、鉄道用トンネルはぎりぎりの大きさで作られる(自動車トンネルほどゆとりが必要ない)ためか、体感的にはかなり狭い。 一応大型車(高速を走れる最大幅とすれば2.5m)も何とか通れると思うのですが(実際、かつては国鉄バスも走ってたし)、実際走ってみると、軽自動車(幅1.4m!)でもかなり狭く感じる。 中がかなり暗い(申し分け程度の灯かり)とか、1車線分の大きさのトンネルってこともあるかもしれませんが、「うわーん暗いよ狭いよ怖いよー」て言うか(笑)。 思ってたほど速度が出せない。 「鉄道が通れるほどの大きさのはずなのに何故」って言うか。 不思議だなぁ。

柳ヶ瀬トンネルを抜けても、短い元鉄道用トンネルがいくつか続くのですが、いずれも一方通行なので、少し走りやすいです。 もう一方はトンネルの外側を走るようになっています。 幸い(?)、トンネル側になっているのはすべてこちら側、つまり滋賀から福井に向かう側でした。 というわけで、これらのトンネルもくぐってみたい人は、同じく滋賀から福井に向かうようにしましょう。

それから一旦国道8号線に出て少し北上、国道476号へ。
同国道をしばし走行。 そろそろ非国道の旧北陸線との分岐があるはずなんだけど… む!? うまく言えないけど、このいかにも「線路跡を舗装しました」的なオーラを発する道は…。
こうして、再び旧北陸線へ。 しばらく走っていると、頭の中に何故かドラクエIIのフィールド BGM(2人以下パーティ)が浮かんでくる。 いい道だなぁ。
こちらの旧北陸線跡にも、元鉄道用トンネルがいくつか存在している。 それも結構長めのものが多い。

トンネル名失念 待ち時間約5分・高さ制限3.2m(?)
トンネル名失念。 高さ制限が3.5m と3.2m …さてどちらを信じればいいものか。 まあ僕のクルマならどちらでも余裕なんだけど。 多分3.2m なんだろうなぁ。 標識、新しそうだし。 3.5m だとこすられることでも多発したのだろうか。 トンネルを抜けた2階建てバスの2階がなかったとか(漫画かよ)。

待ち時間約3分
こちらもトンネル名失念、ごめん。 入口の周りがレンガで作られていてお洒落。

この後だったか前だったか、信号のないトンネルがあって、先行者(ちなみに上の写真に写ってるの)がトンネルからバックで出てきました。 もちろん対向車がきたゆえ。 僕はトンネルに入る前でしたが、先行者の為に少しだけバック。 トンネル内がカーブしていて、トンネル外から対向車が見えないのね。 それでも短め(?)のトンネルなので、それほどやっかいではない…かな。

そして最後に控えしは、これまた長さ1km の山中トンネル(これだけ覚えてた)。 しかしこれがまたなんと、信号がない。 だけど心配ご無用。 何故ならこのトンネル、見事に一直線に作られていて、トンネルに入る前に対向車の有無を余裕で確認できるのだ(出口が見える)。 トンネル入口には、親切にも「対向車を確認して入ろう」って意味の看板が。 1km に渡る直線トンネル、しかも幅は車1台分。 ある意味壮観だよ。

というわけで、元鉄道トンネル主体な割には、走りやすい道だと思います。 信号のないトンネル2つも、少し気を付ければ大丈夫(長さ1km の山中トンネルより、もう1つの方が要注意かも)。

山中トンネルを抜けると、これまた綺麗な道が続く。
途中、集落の真ん中を、土手みたいに盛り上がった所を走る。 いやここに限らず、本当に線路の上をクルマで走ってるような気分でしたわ。

更に下っていくと、大桐駅跡に到着。 道路脇に写真のような看板とホーム跡(?)があるので、少し注意していれば見逃さないでしょう。
大桐駅跡・石碑
駅のすぐ横に、少し小さ目の一軒家がありました(立派な門まである)…が、窓ガラスには板が張られ、家の周りは門も含めて草ボーボーで、人が住んでる様子はありませんでした。 大桐駅があった頃に住んでたのかな、にしては、建ちまいは割と最近のデザインに見える(昭和50年辺り?)し…。 なんだか、もったいないなぁ。
大桐駅跡・ホーム?
これはホーム跡かな。
白いお花の絨毯
ホームの向かい。 道路の眼下には白いお花の絨毯。 写真中央に電柱が並んで入るところが、山中トンネルから走ってきた道。
! この娘は… 廃駅の裏で
駅の裏に降りてみると、どこかで見たような娘が…えーとたしかセーラー…。 高校・大学時代にはまっていた知り合いがいたなぁ。 こんなところでこんな娘と会うとは思ってもみませんでしたわ(笑)。 今日も彼女は廃駅の裏で一人、田んぼの番をしているのかな。
ちなみに、右の写真奥に横断しているのは北陸道。

続きを進むと間もなく南今庄駅で、現在の北陸線と出会う。 ここで、旧北陸線は終わり。

今庄駅
更に北陸線に沿って少し北上すると、今庄駅。 ホームの幅が結構狭くて、特急通過時はドキドキものかも。

おばちゃんの店
今庄で見つけた蕎麦屋によってみた。 その名もバズリ、「おばちゃんの店」。 今庄はどうも蕎麦が有名なところみたいで、他にも有名そう(?)な蕎麦屋が1件あった(しかも土曜か日曜しかやってなかったような)けど、今回は何となく天邪鬼さんになって、こちらの店にしてみた(笑)。 小麦粉控えめの、いかにも蕎麦って感じでおいしかったよ。 旧北陸線探索(笑)の締めに、立ち寄るのもいいと思うぞ。
ちなみに、どちらの店も、今庄駅から国道365号を少し北上したところにあるよ。

鉄道線をクルマで走るかのような、摩訶不思議な感覚が味わえる旧北陸線跡。 今回は面白いドライブが出来ました。


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